曼荼羅とカラーセラピー

カラーセラピーと曼荼羅 カラーセラピーの基礎知識

ユングは、自身が「無意識との闘い」を繰り返した人でした。
彼は自身の療法と研究の一環で「黒の書」と名付けたノートに、自分の中に沸き上がるイメージを書き記していました。

ユングと曼荼羅

やがて「黒の書」は「赤の書」に替わり、1916年~1919年に渡り「自身の内的状態を表すに適した図形」~を描き添えるようになります。
円形や四角形で構成された図形を描くことで混沌とした情動は整理され、記録することで自身の内的変化や成長が実感できました。

1920年、友人となった東洋学権威リヒァルト・ヴィルヘルムより道教の本を送られたユングは、自身が「赤の書」に描き続けた図が東洋に古くから伝わる「曼荼羅」と酷似していることを知ります。

  • ユング個人の内的世界から湧き出た図形(曼荼羅)
  • ユングが初めて出会った東洋の伝統的な曼荼羅

全く異なる文化を持つ国で、全く異なる成立過程を持つ2種の図形の類似点により、ユングは「集合的無意識」を確信し、また「セルフ」の概念も生み出します。

  1. 宗教的な曼荼羅は観想のための道具であり、タントラ(密教経典)により東西南北・配置される諸尊・色など儀軌(決まり事)があるものも多い。
  2. ユングは自分の内面世界のカオスに飲まれないよう、「自由に自分の内的世界を表現する」図形を描いた。
「セルフ(心の全体性)」はユングの分析心理学の根幹になる概念ですが、「意識」と「潜在意識」が対立しあい、補償し合いながら「心の完全性」を取り戻すプロセスも含みます。このプロセスをユングは人間が一生をかけて実現させる、「個性化=自己実現」としました。
カラーセラピーの第7チャクラバイオレットのテーマ「自己実現」とは何か?「資格を取ってビジネス!自己実現!」というベタなモノではないことが分かりますね。

描く側のベクトルとしては、1,2は真逆のようですし、宗教的曼荼羅は「自己の外部」に完全な世界を創造します。創造に当たっては複数の人々が関わりますが、完成された場は、個人が観想や儀式を行う「場」になります(パンコル・チョルテンはじめ、寺院そのものが立体曼荼羅になる場合もあります)。

この場合の完全な世界は「宇宙の構造・真理」。
修行者はマクロ(宇宙原理)とミクロ(個人・自己)を合一するための観想行で曼荼羅を用います。

ヒーリング&セラピーとしての曼荼羅はそこまで大がかりではなく、もっと個人的に創造します。
ユングが「赤の書」に描いたように、自己の内面から湧きたつまま描かれた曼荼羅には「完全なセルフに至る、その人だけのプロセス」が描かれており、描くことでのヒーリング効果や、持続的な記録を取ることで「変容への自覚」が促進されます。

「修行者(信仰者)の魂の解脱」か、「個人の自己実現(個性化)」か…一見別物のようですが、「全体性」「完全性」を目指し、大いなる真理と合一する最終目的は似ていますね。

曼荼羅とはサンスクリット語のmandala。mandaは「心髄」「本質」「醍醐」の意味を持ち、laは物の所有を表します。

曼荼羅につきまして
曼荼羅とはサンスクリット語のmandala。mandaは「心髄」「本質」「醍醐」の意味を持ち、laは物の所有を表します。 宗教的な曼荼羅 曼荼羅は4世紀、インドの祭祀の壇として登場しています。神仏を降ろす祭壇…まさに「本質を所有する場」です...

 

曼荼羅と色とヒーリング・セラピー

元々、ユングの分析心理学からも影響を受け、ヒンドゥーのチャクラ思想、陰陽五行など東洋に叡智の光を見ていたニューエイジャーが曼荼羅に食いつかないはずはなく…
曼荼羅塗り絵を皮切りに、現代は「癒し」のための曼荼羅アートが数多く普及しています。

各システムの創始者により、拘りどころ・手法は様々です。規制を設けず「自由に自己を解放する」のを目的とする曼荼羅もあれば、ある程度の制約を設けた上で「自己を表現する」システムもあります。
全てが宗教的曼荼羅、ユング曼荼羅と似ているとも言えず、オリジナリティが強いものも多数存在します。

カラーセラピーとニューエイジ
カラーセラピーの背景~ヒッピーとニューエイジ。トニー・クーパー(オーラライト)やステファニー・ファレル(センセーション)、マイク・ブース(オーラソーマ)もこの世代です。例えば、みずがめ座の前は「うお座の時代」で「宗教と権威」の時代でした。みずがめ座の時代は、うお座の権威から離脱し「個性化」「共同創造」へと発展する時代です。カラーセラピーの「色の意味」には「ありのままの自分」「ありのままの自分を愛する」「自信」「自己信頼」などが多用されますが、その背景は理解できたでしょうか?

カラーセラピー創始者たちもニューエイジャーです。2021年のテキスト改定でオーラライト・セカンドでは「オーラライト曼荼羅」が組み込まれましたが、さにあらん(笑)
色と潜在意識を重視したニューエイジャーが「曼荼羅」をスルーするはずがないのです。(オーラソーマのマイク・ブースにおいては、ヴィッキーと出会う前からヒーリングアート~曼荼羅的な~のクリエーターとして活動していました)

補色カラーセラピーの色相環

そもそも色相環がダビデの星(天地のバランス六芒星)であり、円(完全なるバランス)なのです

 

無意識は色を好む

そのように「カラーセラピー」と「曼荼羅」は親和性が高いので、生徒さん方からも、

「曼荼羅塗り絵やアートと、色を合わせたい」

という相談も多いです。そんな当校も10年以上前に「曼荼羅塗り絵WS」を開催してました(笑)

当時に比べ、今は多くの「○○曼荼羅」「曼荼羅○○」が増えている様子なので、具体的にどうしろとは指導しませんが、カラーセラピストとしては、1920年代に指導した女性へ向けた、ユングの含蓄ある言葉を覚えておくとよいと思います。

わたしは彼女に派手な色を躊躇なく使うようにも助言した。というのは無意識が強烈な色を好むことをわたしは経験上知っていたからである。 個性化過程の経験についてより

曼荼羅を誰かにオーガナイズする時は、「自由に色を使えるようなムード・環境」を作った方がよいですし、それでも色を使えない・使わない方(無彩色を多く塗る方)は無彩色を選ぶだけの「内面の状態」「その方にとって必要なプロセス」があるはずなのです。

色が表すもの・形が表すもの
「"カラーセラピーでは、なにがわかるのですか?"と言うご質問に、どう答えたら良いでしょうか?」そんなご相談を頂くことがあります。「色」は「人の心の何を引き出す」ものでしたか? 色の認知と心理 形の認知と心理 カラーセラピストの必須項目である...

 

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