オレンジは「焚火」の色です。
わたし達が(知識も常識も格段に少ない)原始人・古代人に成りきった時、この自然の色になにを感じますか?
焚火のオレンジは「非日常」の色
「火」のレッドは「御しがたい」存在~「恐怖」「破壊」の色でもあり(現代でもそうでしたね)、人の手を離れ大地を焼き尽くす炎の赤は「人間の手に余る猛烈なパワー」を表す色だったのです。
では「焚火」のオレンジはどうでしょうか?
制御できない破壊の炎と比べると、焚火は「人の生活を向上させる」ために日への恐怖を克服し、「人が火を操ろうとあえて熾す」意図と発展が見えます。
ゆえにサバイバル(生き抜くという「基本」的使命)のレッドに比べ、焚火のオレンジはサバイバル「+アルファ」の色なのです。
生きるために食べるのではなく「美味しく」食べる。ただ生きるのではなく「楽しく生きる」。
オレンジの焚火はレッドのベーシックな生活活動を「向上」させる予感を与えてくれます。
特に、娯楽の全くない古代の人々からすれば、(時には命を賭けて)薪を積み火を熾すのは一大イベントですね。
オレンジ色は、生きる為だけの行為ではなく日常の彩りである「刺激」や「ハレ」を求める色なのです。
人が集うオレンジは「刺激」「交流」
つい最近まで、人間は意味もなく火を焚き・集い・踊り・飲み食いするほど豊かではありませんでした。
人が夜に集うには「宗教的」「儀式的」な意味があり、オレンジの「焚火」は長いこと「宗教儀式」と関連していました。
拝火教はじめ「火」「焚火」そのものを信仰の対象にする地域も多く見られます。
夜を徹して火を焚き行われる祭祀。その周りで歌い踊る人々。人数が集う程にその狂騒は増幅され、祭祀の規模は大きくなります。
焚火のオレンジは、見知らぬ人同士が日常の垣根を越えて交流し、1つの焚火を中心に「体感し合う興奮」と「刺激」のシンボルであり、「狂騒」と「エクスタシー」を表す色でもあるのです。
現代日本でも、海辺やキャンプで行われているキャンプファイヤー・焚火もあれば、護摩法要の炎もある…
人が「意図して熾すオレンジの炎」には「楽しい」「交流」から「宗教的恍惚」まで、幅がありますね。
いずれにしても「非日常」「興奮」「刺激」を伴うことは共通しているのです。
このような「自然の色」と人類の長い長い付き合いから、「色彩象徴」が生まれカラーセラピーの「色の意味」に繋がっています。
「色の知識」に凝り固まり過ぎず、たまにはシンプルに自然の色に立ち返ると、色の本質が見えて来るかもしれませんよ♪
WHITE-TARA COLOR通信72 2016年2月1日配信済み