「”カラーセラピーでは、なにがわかるのですか?”と言うご質問に、どう答えたら良いでしょうか?」そんなご相談を頂くことがあります。「色」は「人の心の何を引き出す」ものでしたか?
色の認知と心理 形の認知と心理
カラーセラピストの必須項目である「カラーセラピー総論」で、Dr.Ulrich Beerが、
と述べています。
- 色は、人間の感情・本能・右脳に作用します。
- 形は、理性・論理的・左脳に作用します。
色に対する感情反応はストレートです。感情は理由を必要としません。
わたしたちの感情は、色を見た瞬間に「快-不快」「好き―嫌い」を判断するのです。
しかし、理性は時間がかかります。
例えば同じデザイン・色違いの文具を置かれ「好きな方を差し上げます。選んでください」と言われたら、感情の判断は素早く「どちらが好きか」選べます。
でも、それを即座に主張できるでしょうか?
など客観性をもちつつ判断するのが理性です。
文具を選ぶレベルであれば「よくある心の動き」です。人間は常に理性と感情…言うなれば「本音と建て前」の中で生きています。だから社会性が保たれている。
でも、人生の中に無限にある大小の岐路すべてを「理性で選択」したら…「自分らしさ」「本音」が希薄でプレッシャーが強い生き方になるかもしれませんね。
カラーセラピー誕生以前から「色と形」は下記に分類されます。
- 「色反応人間」:衝動的・未熟・自己中心的/外向型・過刺激を好む (=刺激に対し鈍い)
- 「形反応人間」:社会性に優れ・知性的/内向型:低刺激を好む (=刺激に対し過敏)
パーソナリティ分類で応用されたり、ロールシャッハテストのような「色か形かテスト」(色反応優位型か、形反応優位型か)でも活用されています。
大人は形に反応する?
一部の心理学者の研究では、3歳~10歳前の子供は「色反応が強い」と言う結論が出ています。最も色反応が顕著なのは4歳半頃。
10歳前になると「形反応」に移行し、「形反応」への移行が早い子ほど知能発達も早いと言われています。
このデータからも分かるように、基本的に「大人は形反応優位(感情より理性や論理性・知性を優先)」を示します。
「理性的で知的、周囲を慮ることが出来る人」
は一般的に望まれる大人像でもあります。
ただし…理性や知性は、状況や立場を鑑みるので、抑圧的・潜在的なモチベーションに成りやすく
「色~感情・自分の本音(カラーセラピー的には「リアルセルフ」「TRUE SELF」)」を抑制する=「伸び伸びしてるとはいい難い」状態に繋がります。
みなさんも状況に応じ、理性(形)反応・感情(色)反応を使い分けていると思います。
時に相反する、時に葛藤を呼ぶ「理性と感情」のバランスが適正であれば問題ないです。適度なストレスは人間が成長・変化するためにも欠かせません。
しかし長期的にバランスが崩れ続けたり、理性と形の欲求に矛盾が生じ続けるとストレスフルです。
色が表す「本当の自分」って?
カラーセラピーは「直感で・気になる色を選んでください」というガイダンス(=色反応を引き出す)で選ばれた色を準拠にセッションします。ようは…
それをカラーセラピー風に表現すると「本当のあなた」「TRUE SELF」という表現になります。
社会的立場や家庭内の立場、自分が「こうありたい自分」などに気づかず抑圧されている、
「自分の本当の部分・本心」
が表れるのです。
“本音で生きよう!”と暑苦しく勧めるわけではありませんが、押し込めてるエネルギーはいつか爆発します。
「自分の本音」を自分で理解し、適度なガス抜きをしてあげるのは大事なことです。
色反応・形反応
特に大人は「本音」「感情」で生きるわけにいかず、
「周囲や社会から望まれる自分」「あるべき自己像」
を気づかず演じ、「本当の自分(色・本能的)」を抑圧し続けている可能性があります。
長期的に「感情の抑圧」が続くと心身に不調が表れても不思議ではありません。
理性や知性、社会的立場や肩書を得るほど、知らずに見えなくなってる・見ないことにしている「感情」「本音」を色は教えてくれるのです。
現代は「色反応優位型の時代」と言われてます。
SNSの普及により、鮮やかな色を目にする機会が増えたおかげかもしれません。パッと見キレイなもの、映える写真など刹那的に感覚を満たしてくれるものが受ける時代かもしれません。
しかし、パーソナリティも色彩優位かといえば、SNSなどで「他者評価」に晒され続けることで「望まれる自分を演出する」傾向も強まっている気もします。
他者から望まれ、彩度の高い華やかな世界を演出しつつ、それが他者から「どう評価されるか」プレッシャーを受け続けるループは、「個人がクリエイトしやすい・発信しやすい」な時代ならではかもしれません。