「堕天使」は、センセーショントリコロール12本中、「最も男性性の強いボトル」です。
レッドとゴールドのコンビネーションは他のカラーセラピーシステムでも「能動性・男性性」が際立つ組み合わせです。
太陽と月なら「太陽」、男性性と女性性なら「男性性」、陰陽なら「陽」を象徴する非常にパワフルな3色の組み合わせであり、神へ造反するほどのエネルギーと反骨心を持つ「堕天使」をシンボルとしています。
色からシンボルを読み解く
レッド・オレンジ・ゴールドの暖色3色は、全て「男性性」「太陽」「能動」「行動」「外向」の色。オーバーバランスになりやすい組み合わせです。
B1「堕天使~Fallen Angel」 オレンジ/レッド/ゴールド
- 上層のオレンジ「人生を謳歌する」「体験と喜び」
- 中層のレッド「直線的パワー」「負けず嫌い」
- ゴールド「自己価値」「自信」「他者へ豊かさを分け与える」
目の前の困難や課題へ果敢に挑む勇気と行動力、達成するまでパワフルに前進し続けるエネルギーに溢れたボトルです。
- 上層のオレンジ「他者への依存」「享楽主義」
- 中層のレッド「破壊的」「フラストレーション」「敵を作る」
- 下層のゴールド「不安」「心配」もしくは「傲慢さ」
目前の敵や目標に挑めないフラストレーションが攻撃性になったり、快楽のみを求める極端な状態になるかもしれません。
堕天使のシンボルから色を読み解く
「堕天使」は「神への反逆者」。
ルシフェルという名で知られ、サタンの前身です。しかし、カラーバイブルを合わせてご理解頂くと、「サタン=悪魔」の言葉に囚われず、
「一神教の神=教会権威・自由意志の弾圧」に屈しない「反逆者~マイノリティ・自由意志を持つ者」
をシンボライズしていることに気づくと思います。
「堕天使」は、
「支配を受け入れず、自分の価値観を行動に繋げ(または人を導き)、人生を楽しむ」ボトル
なのです。
センセーショントリコロールには一般的に「ネガティブ」な印象を受ける象徴名もいくつかあります。その背景は一神教下の善悪二元論。
「権力者/神=光」に強い威厳を与えるために、対極の「反権力側(反逆者)=闇」を「邪悪」の面が強調されます。ローマ・カトリック教会の下、それ以前の異教の神や異教徒は「悪」として説かれました。
しかし「光」を掲げたものが「絶対的正義」とは限りませんし、「絶対善」への固執は権威の誤用を生みます。
西洋史では「唯一神」の名のもとに迫害の記録も多く残っており、ゆえに「闇~隠れたもの・オカルティズム」史も長いのです。
「隠れた側」を研究した神智学協会は、アジアの多神教~相対性~に目を向けました。
そしてカラーセラピーは「神智学」の影響を受けています。
ルシフェル・ミカエル・ラファエル…天使は名前に「エル」をつけます。エルは「神という意・神聖さ」を意味します。ルシファーもかつてはルシフェルと呼ばれておりました。
堕天使してからは「エル」が抜かれ「ルシファー」表記になりますが、この記事ではルシフェルに統一します。
※カラーセラピスト勉強会「カラーシンボリズム」参加者は、レッドの回で紹介した「ルシフェル」を思い出してください。
そのルシフェルが堕天使した理由ですが、ルシフェルは聖書正典に記された天使ではありません。
「ああ、おまえは天より墜ちた。明けの明星、曙の子よ。おまえは地に投げ落とされた。もろもろの国を倒した者よ~・・」(旧約聖書イザヤ伝第14章12節)
ここから「ルシフェル=明けの明星」の名が生まれ、3~5世紀にかけ、「かつては神に寵愛され、堕天した天使」=「サタンの前身としての堕天使」のイメージが確立されました。
(イザヤ書のこの一説は、カナンの異端派の教典を流用している説もあり、そこでは「父である太陽神」に、「母である大地母神~(陰府)」と交合する為に(性的欲求)反旗を翻した。という書かれています。が、遡るとシュメール神話や普遍的無意識の話になるので割愛)
堕天した理由はレッド&ゴールド?
正典に書かれていないので、堕天理由はすべて後付けです。
- 自らが「神を凌げるのでは」という奢りが生まれ、神に戦いを挑む。
- 神が天使以上に人間を愛するのを嫉妬し、戦いを挑む。
この2点は「奢り」や「嫉妬」により墜ちた、とする「権威(唯一神)寄り」の説ですね。
男性性・太陽の色3色がネガティブになると、やはり客観性が欠けやすく「過度な攻撃性」「今この瞬間の勝利」などアグレッシブさが顕著に出ます。しかし別の説では、
- 神は「自身を敬愛させるために」天使を創ったので、天使たちには創造の時より、「神への敬愛」がプログラミングされていた。
しかし神は「自由意志を持ちながらも、自発的に神を敬愛することを最上」とも考えた。
神はプログラムを持たず「自由意思」を持つ者たちをあえて創りました。…結果、神は敬愛を得ることが出来ず、ルシフェルは反旗を翻しました。
後者の説を取れば「堕天使」のオレンジ/レッド/ゴールドは、
自分の力で達成することに至上の喜びを感じ、自分を従えようとする権威や、自分の目的を邪魔する者は、たとえそれが神であろうが1歩も引かない自信とパワーを合わせ持つ組み合わせになります。
神秘主義者に愛されたルシフェル
ルドルフ・シュタイナーは神智学協会のドイツ支部支部長をしていた当時「ルシファー」という機関紙を作っていました。
トリコロールB5「グノーシス」派には、「神が隠した奥義を明かしてくれる=ルシフェル」を主神と崇めた一派もあります。西洋史を理解して日本人の歴史や宗教観にはない、
「絶対的な神~キリスト教会」VS「マイノリティ(西洋オカルティズム思想)」
この関係性を理解すると、センセーショントリコロールの(ただの悪ではない)「堕天使」の立ち位置が見えて来るのではないかと思います。
当記事に関しまして
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トリコロール養成講座内では、1本ずつのシンボルを詳細に解説する時間がありません。当校のトリコロール履修生に参考になれば…と「シンボルと色」をまとめたものです。
センセーショントリコロール | カラーセラピスト資格取得講座センセーショントリコロールは、世界初の3層カラーボトルを用いたカラーセラピーです。五行や神智学の象徴を使い、クライアントが持つ人生のサイクルや滞りがちなポイントを分析・ヒーリング致します。 -
色とシンボルの解釈は無数にあります。皆さまの解釈を加えてください。
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当記事は、当校で「カラーバイブル講座(4時間)」を学んだ程度に「カラーセラピーと西洋史の関連を理解している方」へ向けています。