スプリンググリーンは「春の新芽」の色です。わたし達が(知識も常識も格段に少ない)原始人・古代人になりきった時、この色になにを感じますか?
春の緑は、手放して進む色
冷暖房が完備され室内労働が多数を占める現代では実感しにくいですが、太陽の光が暖かみを増し、生命が活気を取り戻す春だけに見られる「新芽の色」は、「新しい始まり」「若々しさ」「無垢」の象徴です。
厳冬期に身を守ってくれた獣皮は春には不要になります。
重い獣皮を脱ぎ捨て(デトックス)、洞窟の外に飛び出した人々が見る新芽のスプリンググリーンは、
「再出発」「はつらつとした」「伸び伸びとした」「無邪気さ」…
そんな軽やかな気分の象徴です。
また、冬には枯木に見えた木に柔らかな緑が芽生え、日々成長し強い緑(葉)に変わり、再び冬に枯れ…この変化を毎年見ることで、人間は、
自分たちの人生と「自然のサイクル(成長・変化、生と死)」の関連(リンク)を直感的に理解していました。
冬が終われば「再び」春が始まる。季節も人生でも”当たり前のこと”です。
過去からの知恵を生かし、今から未来を見る色
でも、人々の中には春の訪れに気づいていながら、
「今獣皮を手放したら、次の冬に困るかもしれない…」
と、「新しいスタート」への「不安」「心配」を抱え、今は不要な獣皮を手放せない人もいたかもしれませんね。
季節は春夏秋冬で循環しているのに、その人の心は冬の位置で停滞し続けている「不自然」「不調和」「停滞」な状態です。
「無邪気さ」には2種類あります。
厳しい冬を知らないがゆえ(無知)の「無邪気さ」と、
厳冬期を知っているからこそ、再び迎えた短い春を謳歌する必要性を知っている…「柔軟性」を兼ねた「無邪気さ」。
スプリンググリーンは、もちろん後者です。
過去の経験に囚われずに生かす。その時々を自由に軽やかに楽しんで生きる。「春の新芽」~スプリンググリーンは、
「自然が教えてくれた、過去と未来を繋ぐ智慧」
の色なのです。
このような「自然の色」と人類の長い長い付き合いから、「色彩象徴」が生まれカラーセラピーの「色の意味」に繋がっています。
「色の知識」に凝り固まり過ぎず、たまにはシンプルに自然の色に立ち返ると、色の本質が見えて来るかもしれませんよ♪
WHITE-TARA COLOR通信79 2016年9月1日配信済み