リュッシャーカラーテストは、カラーセラピー創生期に創始者たちへ多大な影響を与えています。
当校で教えているカラーセラピスト養成講座では「カラーセラピストの基礎知識」として必ずリュッシャーカラーテストが登場します。
色を使用し、心理を測定する
海外のニューエイジャー達に「選択した色と心の関連への信頼」を与えたリュッシャーカラーテストはボトル型・カード型カラーセラピーの基礎になっています。
そのことから、また「色と心理」という意味で、両者は似ているように思えるかもしれません。
しかし使用する「色」や「選ばれた色に対する、分析・診断」において、リュッシャーカラーテストとカラーセラピーは全く異なるものです。
カラーセラピーの色は「正解」を持たない
カラーセラピーのツール(ボトル)は、
- 光を透過するグラスボトル
- 色付けされ、アロマを含むオイルとウォーター
を使用します。
透過性が高いので「色の見え方」も曖昧(環境、光の当たり方で変わります)ですし、○○カラーセラピーと銘打つカラーセラピーシステムにより色が異なります。
また、経年で変色してもよほど色の見え方が変わらない限り気にしません。
なぜなら、世界の神話・伝説・宗教を元にした「色の意味(カラーシンボル)」は星の数ほどあり、レッドを選んだクライアントさんが「どのカラーシンボルへ自分を投影しているのか?」は、「聴いてみないと分からない」前提だからです。
カラーセラピーがクライアントへ与える「色刺激~色味は、その色っぽく見えればOK」です。
「赤っぽく見える色」をクライアントが手に取ったからといって、その色に正解はありません。無数にある「赤のシンボル」の中で「クライアントは、どの意味に自己を投影しているのか?」を問いかけ、クライアント本人が自分を振り返り・考えるプロセスが大事です。
クライアント自身が、混沌に言語を与え「自己認識」出来るようにカラーセラピストはサポートします。
色に隠れた意味をクライアントと一緒に探し当てるには、セラピストがより多くのカラーシンボルを理解し、かみ砕き、クライアントの心に多角的な「光」を当てられた方がよいのです。
よってカラーセラピーで使用する色は「曖昧でOK」。
- 「選ばれた色」だけで何かを確定できるものではない。クライアントが「色」に投影した潜在意識を意識化することが目的。
- カラーセラピーセッション内で「色」を間に行われる、セラピストとクライアントのコミュニケーションが重要です。
リュッシャーカラーには「正解」がある
リュッシャーカラーテストで使用するカラーテーブルの色は、46,000人を越える様々な国籍・年齢の人々から統計を取り選別された特別な色です。
特別なインク、特別な用紙に印刷された色は厳密に定められています。
カラーセラピーが「曖昧な刺激(色)を介した投影法」とすると、リュッシャーカラーテストでクライアントが選択する色には「最初から確定された意味(客観的意味)を持つ色」です。
クライアントは「客観的な意味を持つ色」に対し、自分の感情で「好き」「嫌い」を選びます。
その結果、色嗜好への偏りから「クライアントが主観的に持つ特定の感情への過度な執着・拒否、またはエゴイメージや心理償却」が測定出来ます。
極論を言えば、リュッシャーカラーテストはクライアントとコミュニケーションせずとも、診断用紙(プロトコルフォーム)に全ての結果が表れています。
→色彩心理診断士はクライアントの好き嫌いを記入した「データ(プロトコルフォーム)を分析・診断する」
診断時に主役になるのは「色」ではありません。
各色は「人類の基本四感情を想起させる色」として統計上定義されています。
色はクライアントの「感情・欲求バランス」を測定するツールでしかなく、逆を言えば「感情を測定するツールである条件」を満たす色しか使用しません。
カラーセラピストに望まれること
カラーセラピストは、色を見た瞬間により多くのカラーシンボルを連想できることが望ましいです。
一般の日本人は知らないかもしれない、神智学や初期キリスト教、ユダヤ教のカラーシンボルかもしれません。
カラーセラピー講座内では基本的なカラーシンボル(チャクラ思想ですね)は教えていますが、
- バイオレットを見て、自然物(夜空)がイメージ出来れば「神秘」「思考」
- チャクラ思想をイメージ出来れば、第7チャクラ「自己実現」
- 紫微星(北斗七星)をイメージ出来れば「運命」を
- ローマやビザンツの皇帝をイメージすれば「高貴」
セラピストが多くのカラーシンボルの知識と連想力を持っているほど、クライアントの心理に多角的な刺激を与えることができます。刺激が多角的であれば、選ばれた色が隠喩する心理状態がより明確になります。
カラーシンボルは「勉強する」というより、日常の中で楽しみながら深めて行っていただきたいです。
何気なく読んだ本、観た映画など、歴史・宗教的なカラーシンボルは皆さんの日常の中に隠れています。しかし、リュッシャーカラーテストは真逆のスタンスです。
色彩心理診断士に望まれること
リュッシャーテストカラーから「生理的に感じ取る」ことが重要です。
診断士は使用色を見た時の「(人類に共有される)感覚」から乖離してはいけません。カラーセラピーで多用する(固有の宗教・地域のみで伝承される)カラーシンボル・連想は禁止です。
色彩心理診断士は、
- 色彩心理学上の色彩言語と心理バランスにおける基本表現を覚え、
- データに表れている心理バランスをクライアントに的確に伝えます。
- 1つのデータ(プロトコルフォーム)に表れた心理的偏りはどの色彩心理診断士が見ても同じですし、バランス是正のためのレコメンデーションも同じです。
ゆえにリュッシャーカラーテストの診断には「正解」があります。
プロトコルフォームに記入されたデータを正解かつ的確に分析するため、色彩心理診断士はリュッシャーカラーテストのロジック、データ分析のスキルとノウハウを覚え、多くのデータを比較検討し続ける必要があります。
色はなにを表すの?
リュッシャーカラーテストも、カラーセラピーも、
-
特定の色は、人間の特定の心理状態(特に感情・本音)を引き出す。
-
色に対し顕著(過度な)な反応を示す時は、心理・感情的な偏りがある。
-
バランスを是正することを目指す
この部分は共通しています。
しかし、そのために用いる「色」のピックアップ、使用する意味性、診断やカウンセリングにおける「色」の立ち位置などは全く異なるのです。
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