色彩心理学・青色(リュッシャーブルー)

色彩心理学の青色 リュッシャーカラーテスト

色彩心理学を代表するリュッシャーカラーテストの「色と心理」。今月は1番(リュッシャーブルー)です。

Q1 みなさんは「青色」と言われたらどんな色をイメージしますか?

皆さんの脳内には様々な「青色」が展開~おそらくは自分好みの青をイメージ~すると思います。「色名」を耳にすると、主観的なバイアスがかかった色を連想するんですね。

Q2 「落ち着く色は?」と問われたら「何色」と答えますか?

Q1の流れで質問されたら、落ち着く色は「青色」と答える方が多いでしょう。

でも前述したとおり、脳内でイメージしている青色の明度・彩度は皆さん異なります。
ある人が脳内イメージしている主観的な「青色」を視覚再現してみたら、他の人には「落ち着きではなく、爽やかさ」を感じさせる青色かもしれません。

感情と色の関連や、色名のイメージは非常に主観的で曖昧です。全人類に共通する定義づけがしにくいのです。

  1. 「落ち着く色」と問われ脳内でイメージする色は「個人的で曖昧(主観的)」です。
  2. 「色名」には「わたしが思う青色はコレ」という個人のバイアス(主観的)がかかります。
カラーセラピーはこの「色の曖昧さ」を活用します。
ゆえに「選ばれた色(カラーボトル)」だけで何かを特定・確定することは出来ません。数多くの色の象徴イメージをクライアントへ問いかけながら「クライアントが色へ(主観的に)投影した」心理を分析していきます。

カラーセラピーのツール(カラーボトル)に厳密な色の規定はなく「青っぽく見える色なら青色」でOKです。
ゆえに、各カラーセラピーシステムによって青の色味は異なります。「そのツールのブルーそのものから感じる感覚」ではなく、「ブルーに紐づけられた連想物や、数多くのシンボル・イメージ」を駆使するのです。

リュッシャーカラーは、「その色そのものから感じる感覚」ありきです。
リュッシャーカラーテストでは、特殊な紙と特殊なインクで印刷した「統計上選出された厳密に定義された色」しか使用しません。

色彩心理学

「心理学」であるなら、まずは「全人類に共通の構造」を定義しなくてはいけません。
色彩心理学であるリュッシャーカラーテストは、「色そのもの」を重視しているわけではありません。まず重要なのは「人類に共有される基本感情」です。

1)リュッシャー博士は、「全人類に共有される基本四感情」を定義づけました。

2)次に、46,000人(2019年)を越える様々な国籍・年齢・性別の人たちからこれら四感情を「生理的に感じさせる色」を統計で選出しました。

「鎮静」「興奮」「緊張」「解放」は全人類が共通して持っている基本四感情であり、この四感情を「最も感じさせる色」として客観的に選出された色だけが、テストツールとして使用されます。

3)診断時、クライアントは提示された色の「好き」「嫌い」のみを選択していきます。色は心の体温計の役目を果たします。

 

鎮静・落ち着きを感じるリュッシャーブルー

リュッシャーブルー1番は、最も「鎮静・落ち着きを感じさせる色」として統計で選ばれた色です。※デバイス越しに見るリュッシャーテストカラーは正しい色ではありません。

鎮静の青・色彩心理学

リュッシャーブルー1番「鎮静」

リュッシャーカラーテストとはなにか?色彩心理とは?
リュッシャーカラーテストはなにか?色彩心理学の考え方やリュッシャーカラーテストの種類、書籍の紹介など。マックス・リュッシャー博士はバーゼル大学在籍中の24歳のときに、リュッシャーカラーテストを発表しました

1番リュッシャーブルーを適度に心地よく感じ、好きでも嫌いでもない人は、1番から感じる感情~「鎮静」「満足」をバランスよく(適度に)内面に持っている、と推論できます。

「鎮静」「満足」を内面にバランスよく持っていれば、
・「他者に対する優しさ」「思いやり」「忍耐力(何かを待ち続けることが苦ではない)」「焦りの無い」を持つことができます。
・人生において過剰な冒険、チャレンジをする必要はなく、「今の自分の状態が昨日も、今日も、明日も続くこと」に満たされています。

「鎮静」に相対する感情は「興奮」です。

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活動し過ぎたら休息を、休息し過ぎたら活動を。
まるでシーソーのように動きながらも「鎮静」と「興奮」の均衡を保てていれば、心の恒常性が保たれた健全な状態です。

リュッシャーカラーテスト鎮静と興奮のバランス

リュッシャーカラーテスト鎮静と興奮のバランス

しかし「不満」「落ち着きのなさ」を長期に抱え続けていたり、過度な「興奮」(トラブルに見舞われ続ける・多忙すぎるなど「落ち着かない」状況)が続くと、アンバランスが心身の症状として表れてきます。

「鎮静」を過度に欲求する(++)
「落ち着きだけを欲し始める」「とにかく休息したい」「静けさや平和な感覚を乱すものは一切いらない」
「鎮静」を過度に拒否(--)
「自己に不満足」「他者に優しくなれない」「こらえ性がない・忍耐力がない」「いつもの毎日に退屈している」「焦りがある」

心理償却

特定の感情への過度な執着・過度な拒否が続くと、心理償却が起きます。

1つの例として、「自己に不満足」を抱え続けると、別の何かで自分を満たすために過食や依存症といった症状に表れます。

パートナーとに関係に不満と落ち着きのなさを感じている人が、パートナーとの関係の代償で甘いモノやお酒を過度に採取し自分を満たそうとする状態です。でも、甘いモノやお酒では本来の欲求は満たされないので、不満足・落ち着きのなさが消えることはありません。

 

自己統制心理学と色彩心理診断士

自己統制心理学は、

  1. まず、自分の心理バランス・アンバランスを自分で知って頂く(強く欲求しているものは何か。強く拒否しているものはあるのか)
  2. そのうえで、バランス是正するために必要なことを知り、心身に不具合が出る前に自己統制する

ことを目的にしています。

サイコアナリスト(色彩心理診断士)はデータを基に感情・欲求を詳細に分析し、自己統制(バランス是正)すべきポイントをレコメンデーションします。リュッシャーカラーテストは、身体の定期検診のように、
「自分の心の温度(感情の偏りと統制方法)をデータで知る」「自分で自分を統制する」
心身の症状を生み出す前に自分で自分を統制するためのサイコセラピーなのです。

 

2017年7月1日「WHITE-TARA COLOR通信」配信済み

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