ヴァイローチャナ、またはマハ―ビルシャナ。ビルシャナ(毘盧遮那)は「遍く照らす」意味を持ちます。マハ―(偉大な)ビルシャナである大日如来は「宇宙の隅々まで遍く照らす智慧」の如来です。
釈迦が開祖いた仏教は時代と共に変化し、より暮らしに根付いた功徳や現世利益を与える尊格を増やしはじめ、7世紀には密教が成立しました。空海が招来した両界曼荼羅(金剛曼荼羅・胎蔵曼荼羅)の中核に座すのが大日如来です。
大日如来は仏教の永遠不変の真理そのものであり、全てのものに生まれつき宿る善根を育てる光の如来なのです。
大日如来の造形
従来の如来は解脱の証~出家後の釈迦の姿~で描かれますが、大日如来は菩薩形(長い髪を結いあげ瓔珞や耳輪環など荘厳な装束をまとう、王子だった頃の釈迦の装束)で描かれるのが特徴です。
結跏趺坐に坐し、金剛曼荼羅の大日如来は智拳印。胎蔵界曼荼羅の大日如来は法界定印を結びます。
元来、太陽神ですので身体は白く輝く光の色(白や金銀)で描きます。もちろん「ただの白」ではありません。大日経には「虹の身体を得て」という一文があります。
宇宙の真理・遍く照らす光明の大日如来は、虹の7色をすべてを内包した偉大なる光~白に輝く光の菩薩なのです。
ニンマ派のゾクチェンには「虹の体」と呼ばれる行があります。この行が成就されると、心身は五大に分解され肉体は虹になります。
虹の体を得ると粗大の世界的には「無」になり、物理的肉体の痕跡として残されるのは爪と髪のみ。
時輪タントラを代表とする密教行では光と音、極彩の色を観想生起し幻身を取得し、物理的肉体を無に帰す…観想の中でフルスペクトルすべてを会得し、粗大身を白色光(無)へ移行させる行が多く、
虹の色をすべて持つ=クリアライト・白色(無に帰す/解脱)
大日如来仏画
当校では大日如来の彩色or点描仏画を描いていただけます。
点描曼荼羅(金剛曼荼羅成身会)
オプションで「C9 大日如来」を応用した曼荼羅を描いていただくことも可能です。
大日如来は曼荼羅の本尊として描かれる密教(特に真言宗)の中心仏です。