オレンジ色の服を着る心理・その2

オレンジ色はショックとトラウマのリカバリー色 カラーセラピストのためのブラッシュアップ

オレンジ色の服を着る・その1では、
まだ色の意味性を知らなかった「わたし自身」が「楽しむためにオレンジ色を着た」経験をお伝えしました。
「その2」は生徒さんからいただいたオレンジ色の2つのエピソードをご紹介します。

当校のカラーセラピスト養成講座では、各色の意味を教えつつ「ご自身の色経験」も振り返っていただきます。それが簡易セラピーにもなるようで、講座中に様々な気づきをシェアしていただくことが多いです。

オレンジはショックを吸収する色

1人目は生徒Aさん。
オレンジ色の意味、「ショック」「トラウマ」「ショックアブソーバー」を説明している時に、

幼少期のトラウマがフラッシュバックした時に、いつも同じオレンジ色のセーターを着て部屋の隅で丸まっていた。
不思議とそのセーターを着ると落ち着くことができた。

そんなご自身の経験をシェアしてくださいました。

詳細は書けませんが、このエピソードにはオレンジの2つの側面が表れています。

  • 感情への大きな刺激~「ショック」「トラウマ」「感情の傷」のオレンジ
  • 過去の傷を癒す~「タイムラインのヒーリング」としてのオレンジ
オレンジ色は、
「感情に対する強い刺激(ポジティブなら歓喜・ネガティブならショック、トラウマ)」
を表す色であり、同時に
「その刺激を癒す(ショックを吸収する」
色でもあります。

Aさんがいつも手にしていたのはオレンジ色の「大き目のセーター」だったそうです。

身体全体を包み込んでくれる柔らかな感触と、視覚に入るオレンジ色。
膚に馴染んだオレンジ色のセーターに包まれながら少しずつ傷を手放し、感情を修復して行かれたのだと思います。

その当時の生徒さんは「無意識に」オレンジ色のセーターを選び、オレンジ色で心身を包むことで「意図せず」回復・治癒のプロセスを辿っていたのです。

オレンジ色 | カラーセラピー色の意味と色彩象徴(カラーシンボル)
カラーセラピーの「オレンジ色の心理的意味」と第2チャクラ、そして色の意味のベースになっているオレンジのカラーシンボル。オレンジにポジティブに惹かれていれば、「楽しい」「刺激的な」「交流」などの意味になりますが、ネガティブに惹かれていれば「依...

子供に着せるオレンジ色の服

生徒Bさんには、成人したばかりの娘さんがおいでです。
その娘さんの幼少期、Bさんはオレンジ色の服ばかり着せていたそうです。
自我が芽生える前の小さなお子さんの服には、お母さんの趣味・嗜好(もしくは理想)が投影されますよね。

  • 「オレンジ色が好きなお母さん」が、「娘にもオレンジ色」を着せてるのはよくある話。
  • 「オレンジ色は好きだけど、自分には派手だから…」とお子さんに着せる方もいます。
  • 活発なお子さんが動き回っても「目立つ」ように視認性が高いオレンジ色を着せるお母さんもいます。

でもBさんは違ったようです。

当時のBさんはオレンジ色は好きではなく、ご自身も
「娘に着せるなら、普通はピンクとかだよね~なんでオレンジかなぁ?」
と思いながら、オレンジ色の子供服を手にしていたそうです。

この「なんでかなぁ?」が重要です(笑)
「なんとなく選ぶ色」にこそ、自分の色々な情報が投影されています。
講座中に初めて「色を通して経験を整理する」「色を通して自分を知る」過程で、今まで見えなかった「過去の自分の心理状態」がふいに見えてきたりします。

Bさんは妊娠期~幼少期まで、「子供を産み育てること」と「自分自身の心」のバランスがとりにくい時期があったそうです。

妊娠・出産は「喜び」「楽しみ」のオレンジも与えてくれます。

でもそれはほんの1つの側面。女性にとって妊娠・出産・育児は、

自分の肉体や人生が一変するイベントであり、社会参加への一時停止を余儀なくされる時期でもある。

その変化をすんなり「受容し」「慈しみ」「育てる」のは「母性のブルー」。オレンジはブルーの補色(対極の色)です。

Bさんは妊娠・出産を期に仕事を辞め、社会との関りが希薄になることに不安を感じていたそうです。今はもう、
「オレンジの意味を勉強しながら、オレンジ色の服を着た娘を思い出してました(笑)」
と笑っておいででしたが、

  • 即座には「母性のブルー」になれない。
  • だから、補色のオレンジで「ショックを吸収し」「自分の感情を安定させる」「目の前のこと(育児)を楽しむ・吸収する」「楽観的になる」サポートをもらっていた。

もしかしたら当時、娘さんを見るたびにオレンジ色も視覚で確認できるようにオレンジ色の服を着せていたのかもしれないですね。

反抗期を向かえ大人になった娘さんは、現在はAさんからオレンジ色を着させられることはありません。Aさんはお子さんの手が離れ始めてから、やりたいことを見つけ・学び、現在は人生を楽しんでおいでです。

でも娘さんのオレンジを、
「カラーセラピスト養成講座を受講している今、思い出した」
ということは…。
過去のオレンジのエピソードの中に、Aさんにとって「今、必要な情報」が隠れていたのだと思います^^

過去の色選択の意味を、今の自分が知る

その1でご紹介した、わたし自身の経験もカラーセラピーとの出会い前でした。
生徒さん方のエピソードも、生徒さんが「色の意味」「カラーセラピー」に出会う前の出来事です。

選んだ当時は「色の意味を知らない」=「その色を選んだ自分の心理もわからない」。

でも、意味も分からず選んでいた色に、後から「意味があった」と気づくからこそ、

  • 選ぶ色には意味がある。
  • 自分に必要なものは「自分が」知っている。

色と自分へ信頼を持つことが出来ます。

「色」そして「色を選ぶ人」への信頼。この2つの信頼は、カラーセラピストとして不可欠なものです。

カラーセラピストにとって、過去の自分が無意識で行った色選択を振り返ることは非常に役立ちます。

オレンジ色を着る心理は?

「オレンジ色の服を着る」「オレンジ色の服を好む」
言葉にすればただそれだけです。

でもその色を選択した「状況」「心理」を掘り下ると、全く異なる「オレンジ色の服を選んだ時の心理(動機)」がありました。

わたしは、
「積極的に楽しみたい」気持ちをサポートしてもらうためにオレンジを着る(その1のエピソード)経験をしました。
今回登場して頂いた生徒方さんは、
過去の傷をいやすためにオレンジを着る・今のショックを癒し楽しむオレンジの経験をシェアしてくださいました。

確かにオレンジは「社交・交流・楽しむ」色でもあります。が、オレンジを着ている人すべてが「社交的で快活で人生を楽しんでいる」のではないことは、今回のエピソードでご理解いただけたと思います。

色で人の心を診断するカラーセラピストは特に、

  • 自分自身が色経験を積むこと。
  • 他者の色経験をシェアしてもらうこと。

どちらも大切な学びであり、この経験がカラーセラピストとしての語彙力や表現力になるのです。

当校の講座や勉強会はシェアリングに時間を割いておりますが、履修生の皆さまは日常的にも、
「自分が選んだ色」「お友達が選んでいる色」
服や小物の色に投影された多彩な「心理」を掘り下げ、楽しく学んで頂けるといいな~と思います^^

 

服やインテリアを選んでいる時、ふと
「あれ?最近妙にこの色ばかり選んでいるな…」 「あれ?昔はこの色嫌いだったのに…」
と「自分が選ぶ色」に意識が向くことがありませんか?
また、お友達と会った時 「あれ?珍しい色を着てるね」 と言う会話をしたことはありませんか?
「惹かれる色」「気になる色」には意味があります。
赤い服を着たい時、青い服を着たい時、同じ気分なわけないですよね。その色を手に取る「理由」はちゃんとあるのです。そのシグナルを紐解けたら楽しいと思いませんか?何気ないカラーチョイスの中に隠れた「自分の心の変化」を知り、人生に生かしたいと思いませんか?
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