チャプター4のグリーンターラ(緑多羅菩薩)はC2 ホワイトターラと並び、チベット仏教圏で人気が高い女神です。
観音菩薩が衆生の苦悩を思い流した涙、その右目からホワイトターラ、左目からグリーンターラが誕生しました。
ターラ(多羅)は「輪廻の海を渡るのを助ける女性」という意味。(サンスクリット語だと「星」「女性的な知恵」の意味も持ちます)
グリーンターラの造形
左手には蓮華、右手に与願印を結び、青蓮華の上に半跏趺坐(遊戯座)で坐し、緑色の身体で描かれます。
対のホワイトターラが結跏趺坐で両足を上げているのに比べ、半跏趺坐のグリーンターラはすぐさま人々の元へ駆けつける「行動を起こす」女神です。
本来は八難救済の女神ですが、災害や病、貧困など衆生の救済の為ならオールマイティに広く信仰を集めています。
グリーンターラの緑色
ホワイト(白)は虹の7色全てを均等に持つ、光そのものの色。
一神教の光は「神そのもの」「人から遠い」「創造主」のシンボルですが、緑色は逆に、 常に人と共に地上にあり、人と同じく太陽の光や天からの雨の恩恵を受け成長・変化する植物の色です。
ホワイトターラとグリーンターラを対比する時いつも、「太陽の強烈な白色光」と「地上に繁殖する植物の緑」の対比と似てるな~と思います。
チベットの人々があらゆることの加護と功徳をグリーンターラに祈るのも、緑色の「親しみやすさ」「親近感」が一役買ってる気がしてなりません。
グリーンターラはよく盛大な蓮華とともに描かれます。蓮の茎や葉の曲線的な緑は「生命力」「柔和な力強さ」をイメージさせます。
厳しさではなく受容性を、遠さではなく親近感を。白色と緑色から受けるイメージが両女神の造形にもリンクしているのです。
グリーンターラ仏画
当校ではグリーンターラ「彩色仏画」「点描仏画」を描いていただくことができます。
グリーンターラ点描曼荼羅
オプションで「C4 グリーンターラ」を応用し曼荼羅風に描いていただくことも可能です。(サンプル画像はホワイトターラ)