「思春期に黒を着る」については以前書きましたが、今回は「大人が黒を着る」場合です。
人間は情報の8~90%を視覚から得ています。
じっくり見る必要がある形(デザイン)と対比し「色刺激」はストレートで素早い反応を引き起こします。
「色」を上手く身にまとえば強烈なファーストインプレッションを与えることができます。
黒色のイメージを活用する
「黒」は「権威」「保守(壁/オープンではない)」のイメージがあります。夜の闇の色もありますから全身を黒でコーディネートしていると、
- 権威的な、気高い
- 近寄りがたさ、親しみにくさ
- 神秘的な、謎めいた
が演出できます。
このイメージを活用すれば「独創性」「個性」「地位と権威」をアピールできます。
修道僧や墨染の衣など「求道者」「聖職者」の色でもあり、「独自の道を突き進む」「禁欲的(ストイック)」な印象を与えることもできますね。
「建築家」は黒を好むと言われていますが、建築・デザイン系の方々は黒のイメージを「自分のブランディング」に使うのが上手い方が多い気がします。
また「黒色の服を着る心理・その1」でも書いたように、黒は「周囲をシャットアウトする(反抗)」の色。
- 権威への反抗
- 反体制
- 自分を隠す(自分の繊細さを隠す)
こんな「反抗の黒」を活用してるのは、カウンターカルチャーミュージック(ロックやパンク)のミュージシャンが代表的ですね。これらの人たちは「黒を積極的に身にまとい、自分のアイデンティティーを表現してる」タイプ。多くは、
- 色は黒に一貫してるけど「形(デザイン・フォルム)」にはこだわりがある
- 色は黒に一貫してるけど「固有のブランド」をリスペクトしてる
など「色」以外の部分で「自分の個性を表現」してる場合も多く、「積極的に黒色を活用」してるタイプと言えます。
消去法で黒(無彩色)の服を着る
しかし「積極的な黒色の活用」タイプではない方々はどうでしょう?
「消去法で黒を選んでる」=「自分の為に色を選んでいない」
感が出てきますよね。
TPOを考える労を減らす(その都度、服や色を選ぶ労を減らす)
との理由で「黒」を着る方もいます。合理的ではあるかもしれません。
色は「感情」を表します
「色に惹かれる」こと、「自分が惹かれた色を身に着ける」ことは、「自己尊重」「自己の表現」です。
「合わせにくい」「派手かな」「似合わないかな」と「理性」が「色(感情・本音)」の選択を抑圧してしまうことが起きるかもしれません。低刺激な無彩色に慣れていると、有彩色が必要以上に派手に感じられるからです。
たかが服の色。されど毎日「自分で選び、自分が身に着ける」最も身近な色。あまりに長期にこれを続けると…
「着る服の色はカラーセラピーでもある」
先日来日したIACC国際カラーコンサルタント代表Edda Mallyの言葉です。彼女は、わたしたち日本の受講生が着ている服の色にも非常に興味を示し、
- 黒い服は太陽光からのエネルギーをブロックしてしまう。
- 黒い服はよくない
- 受講生の服の色がカラフルだと、自分(講師)もパワーを貰える
と何度もおっしゃってました。(かなりブラックがお嫌いな様子)
ようは「本人が、どのようなスタンスで黒を着ているのか?」が大事だな、と思うのです。
黒は周囲からブロックしてくれる色
前述のEdda Mallyは、
「生徒たちの服の色から、講師である自分がパワーを貰う」
とおっしゃってましたが、逆も然り。
周囲のエネルギーを貰わないため、黒い服で武装する
パターンで黒を着る方も多いです。当時は海外講師を招聘したスピリチュアル系セミナーも盛況でしたが、
「エネルギーブロックするため」「エネルギーアタックから護るため」壇上では黒い服を着ることにしている…そんな話もよく聴いたような。
- カラーコンサルタントでありセラピストでありアナリストのEddaは「生徒のエネルギーを貰う」
- スプリチュアル系の講師は「生徒のエネルギーをブロックする」
昨今のスピリチュアル業界は知りませんし、当時も小耳に挟んだ程度ですが両者の違いが(笑)
いずれにしても「黒い服を着るのは良い・悪い」ではなく、
黒色を使う側として「黒い服を着ている」のか、「色を拒否した結果の黒なのか」?
黒を着ている人の「意図」を観察する。聴いてみる。
まずはそこが重要なんじゃないかなと思います。
「あれ?最近妙にこの色ばかり選んでいるな…」 「あれ?昔はこの色嫌いだったのに…」
と「自分が選ぶ色」に意識が向くことがありませんか?
また、お友達と会った時 「あれ?珍しい色を着てるね」 と言う会話をしたことはありませんか?
「惹かれる色」「気になる色」には意味があります。
赤い服を着たい時、青い服を着たい時、同じ気分なわけないですよね。その色を手に取る「理由」はちゃんとあるのです。そのシグナルを紐解けたら楽しいと思いませんか?何気ないカラーチョイスの中に隠れた「自分の心の変化」を知り、人生に生かしたいと思いませんか?